京都駅から徒歩10分で着く崇仁地区。地域発信マガジンは去年手に入れた。

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崇仁地区は、京都市内に散らばった同和地区(被差別部落)の一つである。江戸幕府が確立した身分制度下の序列では、最下層に置かれた人々の子孫が住む地区だ。

好んで住まったわけではない。幕府が推し進める政策によって、強制的に住まわされた。河川の流域に部落を形成し、皮革業や屠殺業など、「穢れた仕事」に従事した。


同和地区に、靴屋やかばん屋、ホルモン屋・お好み焼屋が多いのは、それが彼ら被差別民の生業だからだ。「ケダモノ」を扱う職分は、古来卑しい者の職分であった。ああいうところは安くてウマい。ソウルフード天国さ。




そんな同和地区の崇仁地区に、京都市は京都市立芸大の新キャンパスを建設する。かねてから京都市は、廃校になった市中心部の小学校に、アートスペースや福祉保育施設を設けてきた。中でも最も大掛かりな取り組みが、今回の芸大誘致である。

教育機関としての使命を終えた学校跡に、芸術活動の拠点を設置し、少子化・高齢化が著しい地域の活力とする。京都市が力を注ぐ政策である。創作や学びの場を用意して、移住者やリピーターや働き手を増やせば、結果的に将来への投資となる。


アートは弱者の声を聴き、弱者の声と共にある。そうした観点からすると、京都市の「廃校活用策」は正しい。崇仁地区の人々と、手を携えられるとすればそれはアートだ。アーティストの卵だ。

若い世代を呼び寄せない限り、地域は衰退の一途を辿る。若者には先入観がない。崇仁地区への抵抗もない。そこで芸術大学の出番。学長の鷲田清一は生粋の京都っ子。開かれた大学を作るというから楽しみだ。




同和地区への先入観も偏見もないのは素晴らしい。しかし知識は必要だ。若者やよそ者が地域史を理解し、地域の人と想いを共有することが、差別のない社会を実現に導くのだ。無知はいけない。

崇仁にお住まいの皆さんが、マガジンの発刊やイベントの開催に熱心なのには驚いた。語りたくない差別の歴史を語り継ぐこと。なかなかできることではないのに、将来を見据えて行動しておられる。頭が下がる。

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